1. HOME
  2. 誰でも最初は新人看護師
  3. 新人看護師のときに重大インシデントを起こしてしまって
  4. 新人看護師のときに重大インシデントを起こしてしまって

    看護師の仕事が怖くなった

    現在は2人の子どもの子育て中で専業主婦をしている30代です。子どもがもう少し大きくなったら、また看護師の仕事をするつもりです。子どもができて退職するまで10年ほど看護師として働いてきており、最初は200床くらいの総合病院で、内科病棟に配属になりました。実はそこで私は重大インシデントを起こしてしまい、そのときは本当に看護師という仕事が怖くなってしまいました。

    自分がよくわからないまま点滴したことで

    それは、ある患者さんに点滴をしていたときのことです。30分かけて点滴しないといけないものが15分くらいで終わってしまい、患者さんがアレルギー反応を起こしてしまったのです。顔も身体も全身が真っ赤になり、身体全体がかゆいと訴えられました。私は初めてする点滴で、点滴の効果や副作用など、何も知らないまま施行してしまったのです。

    そのときの患者さんの症状が忘れられない

    患者さんからのナースコールで訴えがあり、自分自身で確認しすぐ、その日のリーダーナースと主治医の先生に報告しました。幸い、患者さんの命に関わるようなことにはならずに済んだのですが、アレルギー反応を起こしてしまった患者さんの顔、表情、症状は忘れられません。とても、怖いことをしたのだと思いました。私の行動で人ひとり命を危険にさらすこともあるんだと思いました。

    その後しばらくは、本当に何をするのも怖かったです。看護師の仕事も本気で辞めようと思いました。それでも、先輩看護師が親身になって相談にのってくれて、なんとか辞めずに踏みとどまりました。

    わからないままするから危険を招く

    わからないことはわからないままにするのではなく、必ず理解した上で看護行為をしないといけない。本当にそのことが身に染みました。医師に指示されたからするのではなく、指示された内容をなぜするのかを考えなければならないと思います。私はそれ以来、初めて使う薬の薬効、副作用を理解した上で施行するようにしました。また、なぜ、その薬を使うのかもわかった上で施行するようにしました。なぜなのかわからないときは、先輩看護師や主治医の先生に聞くようにしました。

    そのときは意味がわからなくても後できっとわかる

    このインシデントのおかげで私は、なぜ看護学生のとき実習で「その根拠は?」と、何かをするたびに質問されていたのかがわかりました。その当時はその言葉が嫌で嫌でたまりませんでしたが、働きだして、その言葉を言われ続けた理由がはっきりわかりました。そのときはわからなくて嫌だとかうっとうしいとか思っていても、それには必ず意味があるのだと、後になってわかります。新人時代は、その繰り返しのような気がします。
Copyright(c) 看護師として新人だったときに学んだこと. All Rights Reserved.